高橋 幸

Ko TAKAHASHI プロバスケットボール選手・ジャンプトレーナー English
高橋 幸

目標を忘れず行動し続ければ、
必ずチャンスは巡ってくる!
世界を舞台に挑戦し続けるバスケットボーラー

海外で磨いた技術と厳しい環境下で培った精神力をバネに、世界のコートで戦い続けるプロバスケットボーラー高橋幸氏。常に前を向き、169 cm と小柄でありながら脅威のジャンプ力を誇る。その経験を活かして開発したトレーニングプログラムは、多くのプレイヤーたちの夢を後押し。「もっと価値ある選手に」という目標に向けて、バスケットボールへの愛を胸にさらなる挑戦を続ける。

Profile

高橋 幸 プロバスケットボール選手・ジャンプトレーナー

2002年、神奈川県生まれ。Terry Fox Secondary Schoolを卒業後、カナダとセルビアでバスケットボール選手として活躍。2013年から2017年まで横浜ビー・コルセアーズジュニアユースに所属し、その後、Terry Fox Secondary Schoolでさらなる経験を積む。2021年にカナダのクラブチームVancouver Huskiesに加入。2022年にはセルビア1部リーグのOKK Novi Pazarでプレーしプロキャリアをスタート。2023年〜2024年は日本のレバンガ北海道に所属。

169 cmから繰り出すパワーダンクをするジャンプトレーナーとしても活動し、自身の経験をもとにトレーニングプログラムを提供している。挑戦を諦めない強い意志と、優れたコミュニケーション能力で注目されており、彼のトレーニングプログラムは多くのアスリートに支持されている。

海外挑戦で得た適応力と成長

バスケットボールを始めたのは小学1年生の時。兄に憧れて「自分もやりたい!」と思ったのです。その後、テレビでNBAの試合を見たのがプロ選手を目指す大きなきっかけとなりました。
中学校卒業後、私はカナダのバンクーバーに渡りました。本当はずっとアメリカに行きたかったんです。けれど、当時大統領がトランプ氏に変わる時期で、両親のイメージもあまり良くなくて。「1人で行かせるのは怖い」と言うので、もうちょっと安全な国カナダに絞りました。 中学生在学中に現地に赴き、3校を見学。その中から、ブリティッシュコロンビア州の4Aレベル(最高レベル)であるバンクーバーのテリーフォックス・セカンダリー・スクールなら自分の個性を活かし、強みを伸ばせると感じて、留学を決めました。

Terry Fox Secondary School Basketball team,League Championship

バンクーバーでの高校生活で、私は言語の壁に直面しました。中学3年生まで、日本で英語の授業を受けてきたけれど、実際のコミュニケーションは簡単ではありませんでした。授業によっては先生の話が早くて全然聞き取れないことも。いつもギリギリでしたが、単位を落とすことは1回もありませんでした。
バスケットボールチームのトライアウトは、「落ちたら、1年間そのチームでバスケできない」というプレッシャーがありましたが、自信を持って臨みました。最後は「圧倒した」と思えるほど良いパフォーマンスを発揮。見事、チームに選ばれました。 この留学経験は、私のプレースタイルやメンタリティに大きな影響を与えてくれました。自己管理能力が求められ、自分の強みを磨くことができたと感じています。

セルビアでのプロ経験:逆境からの学び

セルビア1部リーグ OKK Novi Pazar

大学卒業後、私はセルビアでプロ選手としてプレーしました。バスケ以外の環境は厳しくて、街全体が古びていてタバコ臭いんです。まるで50年前の日本といった感じでした。ホテルに泊まっていたんですけど、窓がない部屋でなんだか牢屋にでも入れられているような気分でした。雨が降るとWi-Fiが使えない。大雨が降ると水も止まってしまうのです。チームメイト以外に友達もいないし、セルビア語を話せるわけでもない。大変でしたね。

けれど、バスケットボールの面では多くのことを学びました。セルビアの選手たちは身体能力がすごいとか足がものすごく速いとかいうわけではなく、バスケットボールIQが高い人が多かった。柔軟な戦術を行うことを知りました。私は身長169 cmと選手のなかでは小柄なので、体格的には不利な場面も数多くありました。ですが、それが逆に私を成長させてくれました。「ダメな自分、まだまだ足りないな」というストレスから学ぶことは本当に多かったです。

日本でのプロキャリア:新たな気づき

B.LEAGUE レバンガ北海道

セルビアでの経験を経て、私はBリーグ1部の北海道のチーム、レバンガ北海道に移籍。特別指定選手として活動することになりました。
まず、セルビアとの環境の違いにびっくりしましたね。スタッフの人数が全然違う。ロッカールームもちゃんとあるし、体育館も綺麗。ほかにもいろいろと整っていて、練習の前にもう感動しちゃいました。
プレーやルールでも、セルビアとの違いを感じました。特にルールが異なるので、ちょっとやりにくい部分もありました。セルビアだと反則だけど、日本では反則ではないというのもあって。そのアジャストが難しかったですね。
ポイントガードとしてもっとも重要だと感じたのは、コート内外でのコミュニケーションです。チームメイトや外国籍選手との信頼関係を築き、チームを一丸にまとめることが私の役割だと考えました。
私は小柄ながらスピード、ジャンプ力、そしてアグレッシブなプレーを最大限に活かすことでチームに貢献しました。ディフェンスでは積極的にフィジカルを使い、相手に嫌がられるプレーを目指す。また、チームメイトとの素早く正確なコミュニケーションも意識してきました。オフェンスでは、試合全体をコントロールし、必要な時にスピードを活かしたプレーを心がけてました。
ただ、試合に出るには、うまければいいというものではないことも身をもって学びました。タイミングだったり、運だったり、チームワーク。あとはコーチとの相性も大きいですね。
残念ながら、契約は1年限りとなったのですが、その理由を考えたらコーチとの関係も大きかった。契約打ち切りはけっこうはっきり告げられました。シーズン終了後、監督と契約更新の話をした時に「来年は契約しません」ときっぱり。もともと1年契約ではありましたがプロの厳しさを痛感した出来事でした。
練習はめちゃくちゃしたんですけど、練習だけではなかったですね。もっとコミュニケーションを取って、仲良くなればよかったと思っています。「とにかく自分が頑張れ!頑張れ!」しか考えてこなくて、そこまで気遣うことができなかったんですけど、まずは人間関係を築かないと。先輩はそれをしっかりと行っていました。

目標設定と挑戦:ジャンプ力向上への取り組み

私のバスケットボール人生において、「ジャンプ力の向上」は常に重要な目標でした。中学3年生の時に初めてリングに触れたのが、ものすごくうれしくて。高校時代はめちゃくちゃ練習して、実際にダンクを決めることができました。もちろんいっぱい失敗したし、今でも失敗してるんですけどね(笑)
ジャンプ力向上のためのトレーニングプログラムを開発したのは、インスタグラムでのダンク動画の反響がきっかけでした。セルビアではもう時間しかなかったので(笑)「ビデオでもつくってみよう」とひらめいたんです。
1本出したら、すごく評判がよくて。1000人以上の人が登録してくれました。それじゃあ、ジャンプトレーニングの動画をあげようと思ってやりはじめたら、どんどん評判が高まっていきました。「これはもう今やるしかない!」と思ったのがきっかけです。

未来への展望

私の目標はとても明確です。バスケットボールは大好きなスポーツ。だから、プロ選手としてできるだけ長く活動していきたい。そのためには、もっと上手くなって、もっと試合で活用されて、常にチームから必要とされる選手であり続けることが大切だと感じています。それから、35歳までBリーグでプレーを続けたい。直近の目標は、BリーグのトップであるB1リーグでプレーし続けることです。数年前にBリーグが設立されてから、リーグ全体が驚くほどの成長を遂げています。今後はアジアでもトップリーグのひとつになる可能性が高いのでは? と期待しています。

個人的な目標としては、いろいろなダンクをやる。今年中に360度ができればいいなと思っています。
バスケットボールを通じて、私は多くのことを学びました。新しい環境に飛び込む勇気、逆境を乗り越える強さ、そして目標に向かって努力し続けることの大切さ。これらの経験は、人間としての成長にも大きく寄与していると思います。時には辛いことやうまくいかないこともあります。でも、目標を忘れずに行動し続ければ、必ずチャンスは巡ってくる! と信じています。
私の経験が、バスケットボールを愛する人々や、自分の夢に向かって挑戦を続けるすべての人に、何らかのインスピレーションを与えることができたらうれしいです。

Message

高橋 幸

いつも通りジャンプトレーニングプログラムのミーティングをしていたある日、日本語も英語もネイティブに話す杉山大輔さん (DK) と話す機会がありました。
最初は圧倒されましたが、実際に会って話す機会があり、東京でお会いすることになりました。すごくモチベーションが高い人だと思っていたのですが、それはMotivation(動機)ではなく、Discipline (規律)だったことに気づかされました。

私はいつものようにオンライントレーナーとしての仕事をするつもりだったのですが、そうではありませんでした。トレーニングの日、DKは「ジャンプの仕方を見せてほしい、今日はこれくらい上達した、課題はこれだ」など日頃から改善していくにはどうすればいいのかを常に考えていました。これは私の思う「努力」です。
DKはいつもトレーニング後動画や写真を送ってくれるんです(笑) みるみるうちに上達していく姿、たった数週間でこんなに人は成長するんだと感じさせられました。

今回のインタビューを通して、目標に向かって頑張るのにはたくさん方法があり、自分でその道を開くこともでき、その道をすでに知っている人に聞いて試すこともできる。

近道、遠道はあるかもしれないけど、自分の掴みたいチャンスが巡ってくることはハングリーでないと来ないことを改めて感じさせられました。

プロバスケットボール選手・ジャンプトレーナー 高橋 幸

Ko選手は息子と年齢が近いため、息子の友人と会話をしている感覚でした。今回の45歳の1年間の目標は再度ダンクをすることです。
筋トレは継続的に行っていましたが、ジャンプの動作は全くしておらず、ジャンプするときに足腰から腰、そして腕への一連の流れがバラバラになっていました。
新しいことを始める時、私は必ずトップ、一流の方に直接連絡を取ります。Ko選手のAirKo: Vertical Jump Programはすぐに目につき、169 cmでパワーダンクをするKo選手はとてもかっこよかったです。自分もやりたいと思い、そこからジャンプの指導を受けることになりました。
能力や実力には年齢は関係ありません。スポーツにおいて特にこれが顕著ですが、ビジネスでもそうあるべきです。来年の3月に「ダンクをする」という目標に向けて、20キロのベストを購入し、足腰を鍛えています。これからのDOerであるKo選手のますますの活躍を応援しています。


DOers編集長 DKスギヤマ
取材・編集:DKスギヤマ プロジェクトマネージャー:安藤千穂 文:柴田恵理 撮影:浜屋えりな
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