決断と行動するDOers

江辺 香織 Kaori Ebe 株式会社フェーズアップ
代表取締役
江辺 香織

ビリヤードは、コミュニケーションツールの一つ。

お洒落なスポーツの普及を目指し、
心地よい「大人の社交場」を提供しています。

史上最年少、史上最短でビリヤードのプロテストに合格。
アーティスティック・ビリヤード・プレイヤーとして各地でショーを開催するビリヤードの伝道師 江辺香織の希望とは。

Profile

江辺 香織 株式会社フェーズアップ
代表取締役

1984年生まれ、兵庫県出身。2006年12月、JPBA(日本プロポケットビリヤード連盟)のプロテストに合格、史上最年少プロの記録を更新。10年間トーナメントプロとして活躍後、アーティスティック・ビリヤード・プレイヤーとして各地でショーを開催。
Asian 10-Ball Championships 3位、Ozone Billiards US ミックスダブルス優勝、2012年JAPAN OPEN 5位、全日本最終ランキング6位の国内外トーナメント実績を持つほか、ショープレイヤーとして「リシャール・ミル」「LEXUS」等の高級ブランドとのコラボレーション経験も多数。
2017年に会員制ビリヤードサロン「POOLSALON503」を東京・赤坂にオープン。一般社団法人ビリヤード倶楽部の代表理事。2020年、YouTubeチャンネル「江辺香織のビリヤードレッスン」の配信を開始。
世界一お洒落なスポーツ=ビリヤードの魅力を1人でも多くの人に広めるため、サロン運営やレッスン、イベント開催など精力的に活動している。

父は「ビリヤード界の貴公子」

父は、私が生まれた年に、全日本選手権という日本で一番大きなビリヤードの大会にアマチュアで出場し、プロに勝って優勝しました。その少し後に、ポール・ニューマンとトム・クルーズが主演した映画『ハスラー2』が公開され、日本でもビリヤードブームが巻き起こり、父はそのブームに乗ってプロになりました。若い頃は「ビリヤード界の貴公子」と呼ばれていたそうです。
私が2歳のときに離婚してから、ずっと会っていなかった父に、中学生になって再会し、ビリヤードのプロであることを聞きました。

父と娘の絆を深めた
ビリヤード

私は16歳のときに大阪でスカウトされ、女優として活動を始めました。2年後、東京のテレビ局のドラマに起用されたのですが、共演する女優さんは、みんな容姿端麗で演技も上手。それを見て、自分も何か特技を持たなければ、芸能界で生き残ることはできないと思いました。
そこで、ビリヤードのお店を経営しプロである父のもとで、それまで全く経験のなかったビリヤードを極めようと考えたのです。1日最低8時間、多い日は16時間練習しました。いつしか女優業よりビリヤードの方が面白くなってしまい、方向転換しました。

2歳からずっと会っていなかった父と接するにあたり、ビリヤードという媒介があったのは、お互いの人生においてとても重要な要素となりました。18歳から2年間一緒に暮らし、父のもとでビリヤードの練習に没頭することで、空白の13年間を埋めることができました。
ビリヤードの技術に関しては、父は今でも雲の上のような存在。私とは比べものにならないほどの知識と経験があり、尊敬しています。

何事も目標と期限を決めて
チャレンジ

修行を始めるとき、私は父に「3年でプロになる!」と宣言しました。2年ではセミプロレベルが精一杯かなと思い、「石の上にも3年」ということわざがあるように、3年と決めたのです。
宣言通りに2007年、22歳のとき、史上最年少、史上最短でプロテストに合格。通常、早い人でもビリヤードを始めてプロになるまで5年以上かかるところ、私は3年半でプロになりました。

初めて大会に出場したのは、19歳のアマチュア時代です。そのとき「今から10年間は大会に出よう。10年間はやめずに頑張る!」と自分に誓いました。私は、何事も初めに目標を立て、それに向かって進んでいきます。そして、自分で決めたことは必ず守ります。

決意通り、29歳でトーナメントプロを引退し、大会に出場することはやめました。それから今まで、トーナメントに戻ろうと思ったことは一度もありません。当時は夢中だったので、練習も含めて楽しかったのですが、今はあのつらい練習をもう一度やりたいとは思いません。ビリヤードだけに集中していた10年間は、自主的に海外へ武者修行へ行ったりと、とにかく挑戦の連続で、精一杯やり切ったという充実感があります。

「ビリヤードの伝道師」への転身

トーナメントプロを引退する前から、引退後はビリヤードの普及活動と、アーティスティックなビリヤードのショーを見せるプレイヤーになりたいと思っていました。
それは、プロ入りして間もない頃、トリックショットの先駆者から、「トリックショットを身につけた方がいいよ」というアドバイスを受け、その言葉がずっと心に残っていたからです。以来、トリックショットの練習をずっと続け、メディアに出たときに披露していました。
魅せる要素の多いショーでは、ワンショットで観客がものすごく盛り上がります。ミスショットをしても、エンターテインメントなのでトークでフォローすることもできます。そうして観客に喜んでもらうことが、私にはとても楽しく感じられました。

ビリヤードの普及を目的に、一般の方がプロから気軽に教わることができるイベントを、東京と大阪で月一回開催しています。「東京ビリヤード倶楽部」という名称でスタートし、今は「一般社団法人日本ビリヤード倶楽部」として活動しています。今後もイベントエリアの拡大を目指して地道に活動していきます。

私は、新しいことにチャレンジすることで人は進化すると思っています。自分自身は、トーナメントプレーヤーからショープレイヤーになり、ビリヤードの普及など、自分なりに活動のステージを上げていきました。そして、32歳のとき「人は進化していくべき」をコンセプトにした、株式会社フェーズアップを立ち上げました。社名には「人生のステージを上げていく」という意味が込められています。

2017年「POOLSALON503」を
東京・赤坂にオープン

日本ビリヤード倶楽部のイベントで、ビリヤードがコミュニケーションのツールになると強く感じていました。その経験によって、ビリヤードに触れたことのないエグゼクティブな方々にもその魅力を知ってほしいという思いが増しました。
ビリヤードは、貴族のスポーツとしてヨーロッパの宮廷で広まりました。日本では明治時代、華族などの上流階級向けの社交的競技とされ、皇居には今でもビリヤード台が置かれていると聞いています。

1986年には、映画『ハスラー2』の大ヒットにより、アメリカンなビリヤードが日本でも流行しました。映画では、タバコとお酒とギャンブルのイメージが強く打ち出されていました。「ちょいワル」に憧れる文化を否定はしませんが、もう一度、ステータスのある本来のビリヤードに戻したい! と思い、2017年に会員制サロン「POOLSALON503」を東京・赤坂にオープンしました。コンセプトは「エグゼクティブのための第2のリビングルーム」。知人から資金を提供しようというお話もありましたが、最初のサロンは身の丈に合った範囲でスタートしたかったので、100%自己出資にこだわりました。自分でコントロールできない状態が性に合わないのと、物事は常にシンプルにしておきたいんです。
サロンにはビリヤード台が2台、カウンターやソファがあり、ラグジュアリーな空間になっています。女性も入りやすいように明るい内装にし、「大人の社交場」を目指しました。

ビリヤードは「コミュニケーションツール」

サロンの運営でこだわったのは「会員制」と同時に「無人営業」です。これは、父が経営しているビリヤード場からの逆インスピレーションで、父のところは、いつも誰かがいる必要があり、オーナーが倒れてしまうと稼働できません。それでは経営リスクが大きいため、無人で運営ができたらいいなと思っていたところ、スマホで鍵の開閉が可能なアプリを提供している会社の代表と出会い、また、AmazonGo第一店舗出店のニュースを見てピンときました。こうして、日々の出会いからたくさんのインスピレーションを受け、それらが融合され、夢のサロンが実現しました。

サロンは月会費制で、3万円コースと5万円コースがあります。3万円コースはビリヤード台を朝7時から夜12時までの間、いつでも使うことができます。5万円コースはフリードリンク(アルコールあり)が付いていて、ゲスト1名(フリードリンク付き)の同伴が可能です。いずれも法人契約が可能で、年4回の貸切が付いた法人特別プランもあります。希望者にはレッスンも行います。
現在、会員の90%が男性で、女性は10%です。アパレルブランドとのコラボイベントなども開催していて、そんなときは素敵な女性がたくさん集まります。イベントでは、老舗お寿司屋さんにケータリングしてもらい、美味しいお寿司に舌鼓を打ちながらビリヤードを楽しんでもらっています。

ビリヤードは、素晴らしいコミュニケーションツールだと思います。仕事関係の付き合いというとゴルフが定番ですが、1日がかりですし、途中でやめて帰ることはできません。ビリヤードなら1、2時間で区切りがつき、その日の予定に合わせて時間をカスタマイズできるので、ビジネスのコミュニケーションツールとして最適です。また、海外のホテルや企業、学校にはビリヤード台が置いてあるところも多く、そこで交流が図られるという文化が根付いているほど世界的なスポーツなので、グローバルにコミュニケーションを図るために会員になられた方もいらっしゃいます。

結婚と離婚。再婚と出産

32歳のときに結婚し、数ヶ月で離婚してしまいました。結婚式に参列してくれた方々には申し訳ないと思いましたが、話し合いをしても解決できないような人間性、価値観の違いによって不協和音が続くのなら、リセットした方がお互いのためです。家庭においては、常に家族全員が機嫌良くいられる環境が大切だと思います。
その後、運命的な出会いがあって再婚することに。これは自分でも予想外でした。そして、子供が生まれ、今は妻、母、仕事をこなしています。私にはどれが一番大事ということはありません。すべて大事で、家庭があって仕事もあることで、自分自身のバランスが取れていると感じています。仕事で得たものを家庭で生かすことができますし、仕事を終えて帰宅し、子供の顔を見ることで大きな幸せを感じています。

家庭と仕事、対人関係、すべてにおいて私は「尊敬と信頼」を大切にしています。尊敬し合える間柄と信頼関係が、何よりも大事。POOLSALON503では、お互いの信頼が一番のセキュリティになっていて、無人営業ですが、これまでトラブルは一度もありません。それどころか、いつでもまず助け合う思いやりの精神が出てくる、そんな会員さん達を誇りに思っています。私も、常に会員さんに歩み寄れる存在でいたいですね。

YouTubeチャンネルの
配信をスタート

2020年からYouTubeチャンネル『江辺香織のビリヤードレッスン』の配信を開始して、初心者向けにマナーやテクニックをアドバイスしています。テレビ出演させていただくこともありますが、番組を観た人にしか伝えることができないので、ビリヤードを始めたいと思った人がいつでも見られるものをストックしておこうと思い、配信を始めました。
チャンネルは、10代から60代くらいと、幅広い年齢層の方々に観ていただいています。「小学生のとき江辺さんをテレビで見て一目惚れし、それからずっとビリヤードをやっています。たまたまこのチャンネルを見つけて驚きました」という嬉しいコメントもいただいています。

「教える力」と「教わる力」

父からビリヤードを教わっていた当時、自分の態度がどうあるべきかを考えました。父と娘という関係の中で、父の教えを素直に受け入れるというスタンスは、正直、少し難しいものがありました。でも、そうしたモヤモヤをすべて取り払い、自分がきちんと教わる姿勢を作らないと、父も教える気になれないのではと思い、父と娘という壁を壊して素直になり、ビリヤードの師匠である父の教えを、心と頭ですべてを吸収するようにしました。その結果、3年半でプロテストに合格できたと思っています。

教わる姿勢については、自分がビリヤードを教えるときにも実感しています。反応が良く、素直にアドバイスを受け入れてくださる生徒さんには、こちらも素直に「もっと教えたい!」と思います。そういう人はどんどん上達していきます。
これは、ビリヤードに限った話ではないでしょう。会社でも、新入社員が素直に教えを受け入れれば、上司も教え甲斐があるはず。「教わる力」は、すべての人が身につけておくべきスキルだと思います。

ビリヤードは世界一お洒落な
スポーツ

YouTubeチャンネルや日本ビリヤード倶楽部は、ビリヤードに少し関心がある人や初心者向けで、ビリヤード人口を増やすことを目的にしています。POOSALON503は、主にエグゼクティブ向けに、実際お会いしてビリヤードの魅力を伝えるためのサロンです。会員の方々に、ここを社交場として活用してもらい、そして、会員の方がビリヤードを楽しむ姿を見て、「ビリヤードってカッコイイな」と思って始める人を増やしたいんです。だって、ビリヤードは、世界一お洒落なスポーツだから。とびきりお洒落なジャケットを着て来てほしいですね。素敵な女性の同伴も歓迎しますよ。

何事にも前向きで常に上を目指している人、新しいビジネスにチャレンジするベンチャー企業の方、そしてアスリートのみなさんが集い、語り合える場を作ることが私の夢。私自身のステージを上げて、POOLSALON503を今以上に快適で、活気のある空間にしていきます。

Message

「ビリヤードがメチャクチャ上手い人を紹介するよ」と、友人に誘われてPOOLSALON503に来た杉山大輔さんは、年配の男性を紹介されると思っていたらしく、私を見て「この風貌でビリヤードのプロなの!?」と驚いていました。
大輔さんの第一印象は「エリート筋肉マン」。「ビリヤードが上手になりたい目的はモテるため。男はモテたいと思うことで頑張れる」と言う大輔さんは、教わり方が一流で、素直な「教わる力」を持っています。素直さは自分で意識してできるのもではありません。日頃の行いから作り出されます。いつも笑顔で機嫌が良く、相手が何を求めてるのかを瞬時に察知して行動できる唯一無二の人。
そんな大輔さんがPOOLSALON503にいると場が明るくなってみんながハッピーになる、老若男女からモテる理由がすぐに分かりました。いつも新しい出会いをサポートしてくれる大輔さん、ありがとうございます。

株式会社フェーズアップ
代表取締役
江辺 香織

友人に数ヶ月前に会ったとき、ビリヤードのキューを持っているのを見て、本格的にビリヤードを練習したかったことを思い出しました。それから、彼と一緒にビリヤードをやるようになり、どうせやるなら、とEXCEEDのキューを購入しました。最高ですよ、EXCEEDは。マイキューは愛着が出るし、玉に当たる瞬間が格別です。以来、持ち歩いて練習するようにしていたら、「大輔さんって、結構真面目に練習するんですね(笑)。それなら、知り合いのプロを紹介しますよ」と、江辺香織さんにお会いすることになりました。
僕はいろいろなことにチャレンジしていますが、新しいことにチャレンジするときは、最初の100日が最も大切だと思っています。自分が全く知らない分野は、「一流の人に教わる、一流の道具を使う」ことを心がけています。
江辺さんを紹介された次の瞬間には『POOLSALON 503』に入会し、プライベートレッスンをお願いしました。人生をDOしている江辺香織さんは人生を楽しんでおり、人と人をつなぐ才知に長けた、魅力溢れる女性です。
僕は1名同伴ができるメンバーシッププランに入っているので、一緒にビリヤードをしたい方は、いつでもお声掛けください。僕の華麗なショットを披露しましょう(笑)。

DOers編集長 杉山大輔
Interview and Editor : DK Sugiyama | Text :Yutaka Inagaki | Photography : Akane Inagaki
POOLSALON503 お客様と共に価値を最大化し育てていくサロン
POOLSALON503は「第2のリビングルームを赤坂に」というコンセプトで、無人タイム、夜のバータイム、メンバー交流会等、多様なスタイルをお楽しみ頂けます。
〒107-0052
東京都港区赤坂3-13-6
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扇 貴博 Takahiro Ougi 株式会社スタンダード・プロ
代表取締役
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